ソファに使用されているチップウレタンは、硬くへたりにくい材料です。
しかし、ソファに使用されるウレタンは、さまざまな種類があり、どれを選んだらいいか分からない方も多くいます。
この記事では、チップウレタンの種類や硬さ、おすすめのチップウレタンを紹介します。
ソファに使うチップウレタンとは?
チップウレタンは、クッションを作る際の材料である、ウレタンの切れ端を再生したウレタンです。
さまざまな種類のウレタンを粉砕して、接着剤などで押し固めたものがチップウレタンです。
チップウレタンは、ソファの他にも以下の使い道があります。
- 体操マット
- パンチングミット
- 自動車や鉄道車両などの内装材
- 座椅子の芯材
- 壁や床などの緩衝材、吸音材
ソファに使うチップウレタンの製造方法
ソファに使用されるチップウレタンは、以下の流れで製造されます。
- 製造工程で発生したウレタンの切れ端を粉々にする
- 粉々にしたウレタンと接着剤を攪拌する
- 攪拌したウレタンを成型機に入れて蒸気で熱する
- 成形して乾燥させたらチップウレタンの完成
さまざまなウレタンを混ぜ合わせて製造するため、チップウレタンの表面は多少の凹凸があり、硬さも異なります。
チップウレタンとウレタンの違い
チップウレタンとウレタンは、硬さや密度などに違いがあります。
ここでは、チップウレタンとウレタンの違いを解説します。
チップウレタンの硬さ
チップウレタンは、一般的なスポンジと比べると硬さがあり、安定した座り心地になります。
硬さの単位はN(ニュートン)で表され、チップウレタンの硬度は以下の通りです。
- チップウレタンNo.T1:硬度180~360N
- チップウレタンNo.T2:340~580N
- チップウレタンNo.T3:620~1000N
ベッド用のマットレスの場合、110Nを超えると硬めと規定されています。軟らかいチップウレタンNo.T1でも180~360Nなので、かなり硬めだと分かります。
ソファにはNo.T2が使われることが多く、多少の沈み込みがあり、快適に座ることができます。
また、ウレタンとチップウレタンの2層品の場合も、下の層にはNo.T2が使われるケースが多いです。
ちなみに、軟らかめのソファに使われるウレタン(ウレタンNo.1)の硬度は、88Nほどです。
チップウレタンの密度
ソファに使用されるウレタンは、密度が高いほどへたりにくくなります。
そのため、長年使用したいのであれば、密度が高いウレタンを選んでください。
ただし、密度が高くなるほど、硬さも増すため、必然的に硬めの座り心地になります。
チップウレタンの密度は以下の通りです。
- チップウレタンNo.T1:60~80kg/㎥
- チップウレタンNo.T2:75~105kg/㎥
- チップウレタンNo.T3:97~137kg/㎥
軟らかめのソファに使われるウレタン(ウレタンNo.1)の硬度は16kg/㎥なので、チップウレタンは数倍の密度があります。
チップウレタンを使ったソファの座り心地は?
チップウレタンはさまざまなウレタンを固めているため、表面に凹凸があり、座り心地が良いとはいえません。
ソファカバーがレザーなど厚めのものであれば、凹凸は気にならないでしょう。しかし、薄い布のカバーは、座った際に凹凸の感触が伝わり、不快に感じるかもしれません。
硬めの座り心地を希望されるのであれば、チップウレタンの上に、1~2cmほどの薄いウレタンを貼り合わせるのがおすすめです。
ソファ用のおすすめチップウレタン
一般的にソファに使用されるウレタンは、下記の3種類です。
- チップウレタンNo.T1:座ると多少沈み込むが硬さがあり、底付き感がない
- チップウレタンNo.T2:No.T1よりは沈み込みが少なく、安定した座り心地
- チップウレタンNo.T3:ほとんど沈み込まず、硬い座り心地
上記の中から、お好みでチップウレタンを選んでください。
ただし、硬めを希望される方でも、No.T3は硬すぎるとの声を多くいただきます。
基本的にはNo.T2がおすすめで、軟らかめを希望される方はNo.T1を選ぶといいでしょう。
また、ウレタンとチップウレタンの2層品にする場合は、以下のウレタンとの組み合わせがおすすめです。
- ウレタンNo.1:もっとも柔らかくフカフカな座り心地
- ウレタンNo.5:硬めで安定した座り心地
- ラバーウレタンNo.R2:硬めで密度が高くへたりにくい。高級家具にも使われるしっとりした座り心地
ウレタンとチップウレタンの厚さは、お好みで決められます。一般的にウレタン3:チップウレタン7にするケースが多いです。
まとめ
ソファに使用するチップウレタンとは、製造工程で出たウレタンの切れ端を固めて再生したウレタンです。
チップウレタンは硬く密度が高いため、へたりにくく、長期間にわたり使用できます。
ソファの座面に使用する場合は、表面に凹凸があるため、レザーなど厚めのソファカバーがおすすめです。
薄いカバーを使用するのであれば、チップウレタンに薄いウレタンを貼り合わせた2層品がおすすめです。
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